バリアフリーチャレンジ!代表 島本昌浩さん インタビュー記事

全ての人が暮らしやすい世の中に… 

バリアフリーチャレンジ!代表 島本昌浩さん

 

「チャレンジド」とは、障がいをマイナスとのみ捉えず、障がいを持つゆえに体験する様々な事象を自分自身、社会のために生かしていこうという想いが込められた言葉。

 

そんなチャレンジドとして、22歳のときの脳出血で身体に障がいを持った島本昌浩さんは、「バリアフリーチャレンジ!」という活動を行なっています。

 

「バリアフリーチャレンジ!」はどのような活動なのか、脳出血で倒れる前と後の考え方の変化、「働く」ということ…。

 

Gift代表の小山が気になる質問を、島本さんにぶつけました。

 

■「バリアフリーチャレンジ!」とは?

 

 

今回、島本さんにインタビューをさせてもらったのは、Giftがペルソナとして応援したいと思う社会起業家として、お話を伺いたいという理由からなんです。

 

―早速なのですが、島本さんがされている「バリアフリーチャレンジ!」の活動について、教えていただけますか?

 

島本さん:「バリアフリーチャレンジ!」で中心に行なっているのは、障がいのある人がより暮らしやすくなるための情報発信です。チャレンジドの人をインタビューやイベントで紹介して、障がいについて知ってもらえるように活動しています。障がいのある人が暮らしやすい世の中になれば、普通の人にとってもより暮らしやすい世の中になるだろうと思っています。

当事者としてやるってことには意味があるのかなと思っています。

 

■「現実的な発想だった」

―島本さんは22歳のときに脳出血で倒れられて、そこから障がい者としての人生を歩き始めることになりました。両方の立場を体験された島本さんが、ご自身の立場が変わったときに感じたことは?

 

島本さん:今、不自由な身体になっているということで、どうしても、障がい者側の視点が強くなってしまいます。その当時、そんなにショックという気持ちはなかったと思います。40歳になったということもあるかもしれませんが、障がいを持った後の人生のほうが大切だと思うようになりました。

 

自分が障がい者という立場になったとき、障がいを持たない人生を選ぶという選択肢が現在の医療では考えられない。だから、じゃあどうしようと現実的な発想になりました。

 

■「このレベルなら辞めたほうがいいと思った」

―島本さんは以前、行政書士として事務所を開いていましたが、今年の春に行政書士を辞められた理由は?

 

島本さん:消極的な話になってしまいますが、行政書士になりたいと思ったわけではないんです。まず、身体を使って働くことは無理だなって。頭を使ってかつ自分の経験を活かせる仕事と考えたときに、公務員になろうと思いました。広く、社会の役に立てますしね。でも公務員にはなれなかったんです。行政書士の試験は、その公務員試験の勉強を効率的にする一環で受けました。そして、行政書士の試験には合格したんです。その後、民間企業の採用も受けたんですけど、箸にも棒にも掛からずで。年齢も重ねましたし、手をこまねいているよりはできることをしようと、そこで行政書士として開業することを決めました。

就職できなかったのは、障がいがあることが理由ではなくて、障がいがあるのにそれを正しく受容できていなかったことが就職できなかった理由だと思っています。健康だったときと同じメンタリティーで、「こういう仕事がしたいです!」って言っても、企業からしたら「煙たいやつが来た」って感じですよね。

 

行政書士を辞めた理由は、嘘をつくのもなんなので正直にいうと、事業として生活をしていくだけの収入が得られなかったからです。このレベルなら辞めたほうがいいなって。

 

 

 

■「それぞれの方の意見が尊重されるような世の中」

―島本さんの様々な経験から、今後こういう社会にしていきたいっていうビジョンはありますか?

 

島本さん:障がい者の方だけではなく、LGBTの方であったり、マイノリティーといわれる人が当たり前にいて、それぞれの方の意見が尊重されるような世の中になればいいなと思っています。最初の頃は、障がいについて知らないことで生まれる壁を取り除きたいという力の入った部分がありました。でも障がいのある人がそれを強く言うのは、接している人がより接しにくくなるような気がしてるんですよね。だから、今は障がいのある人がいるのが普通になればという感じです。

 

比較的若くて、障がいのある状態だと、「大変だね」って言ってもらうことがよくあるんです。でも、大変なのは障がいのある人だけではないと思います。健康に暮らしている人でも、悩みがないわけではありませんよね。だから、そこは相対的なもの。障がいがあるからといって、特別視されるのは逆かなってイメージになっていますね。

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