ミッションを磨き、寄付の不信感に「応える」

Giftではファンドレイジングデザイン講座(以下FD講座)と題し、NPO運営者向けの4回の連続講座を実施しています。全回無料で提供しているので財務面やファンドレイジングについてお悩みの全てのNPOさんにどんどん受けていただき、より良い寄付体験を寄付者の皆さんに届けてください。

とはいえ、内容やその効果が見えない講座に参加するのは勇気がいるかもしれません。そこで、FD講座の内容を4回に渡ってご紹介していきます!

今回はFD講座、第2講「チームで見直したい ミッションと活動」のポイントとして「この寄付は何に使われているん?」という問い対するもう一つの「こたえ方」をお伝えいたします。この応答を軸に講座の全貌をお伝えしていきます。

目次

もう一つの「こたえ方」

「寄付が何に使われているのかわからない」そんな声を僕たちはよく聞きます。僕たちに向けられることもあれば、他団体さんに向けられたものもありました。

FD講座の第一講が会計講座なのは、この「わからなさ」から来る不信感への「答え」を持つために財務の透明化を進める目的があります。しかし、文字通りに「何に使われているか」がわかれば、必ず不信感を拭えるというわけではありません。

というのは、寄付者が知りたいのは必ずしも会計上の費目ではないのです。かといって、財務上の戦略ですらないこともあります。そこでもう一つの「応え方」が必要になります。

↓第2講の目次

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もう一つの「応え方」 - 意思表示としてのミッション –

透明化した財務戦略の前提には団体のミッションがあるかと思います。ミッションは様々な定義があるかと思いますが、ここでは「団体の社会的役割(使命)」とします。そして、ミッションは自団体の戦略の前提にもなりますが、同時に外部に対しては「社会の中で私たちはこういう役割を果たしていきます」という宣言です。

もし、寄付者がこの前提となる方向性に共感していなければ「なぜそんなお金の使い方をするのかがわからない」という反応が生まれます。

この「わからなさ」は知的な理解に紐づくものではなく、「共感できない」故のわからなさです。なので、どれだけ財務の透明性を高めてもここがずれていれば「わからない」と捉えられてしまうことがあります。

また、ミッションが不明確なためにそもそもの前提が見えず、「何のためにその活動をしているのか?」がわからないということもあるかと思います。目的が明確でなければ財務情報は単なる情報の集積となり、寄付者にとって意味のある情報とならないのです。

ミッションは財務に比較すると情緒的であり、団体を運営する皆様の信念が反映されている部分かと思います。それを強調する意味で、「答え」ではなく、「応え」と表記しています。「正しく答える」ミッションはありません。「気持ちに応える」ミッションがあるだけです。

それ故に本ブログではやや抽象的表現が続くことを先に断っておきます。しかし、その重要性も強調しておきます。ミッションは「正しい言葉選び」ではなく「価値観が反映されていること」を重視してください。

そこでまずは私たちの体験談を書かせていただきます。

ミッションの罠 - ミッションを考えてはいけない –

団体を設立時から僕らGiftは「ミッション」を考えてきました。それはそれはもうずっと考え続け、話し合いを繰り返してきました。だけど、「ミッション」を考えることや話し合うことが活動になり、何のアクションもせず過ごた時期もあります。

話し合いの中からたくさんの耳障りのいい「言葉」が生まれました。自分たちが大事にしたい「表現」を繰り返し探ることもできました。今振り返っても頭が痛いのですが、言葉選びや納得感のようなものずっと探していました。

最も悲惨なのは、そのほとんどは無駄だったことです。

少し強く書き過ぎてしまいました。もちろん、僕らが今日まで積み上げたものがあるのは確かです。ただ、これからNPOを立ち上げる皆さんや「ミッション」を見直す皆さんには「ミッション」を考えるのは必要のない時間だと思います。

「価値」を「言葉」にする

僕らの教訓は「ミッション」は思考の「対象」ではなく、「結果」だということです。というのは「ミッション」が「団体の社会的役割」だとすると、団体の役割は仕事でつくる「価値」「成果」から導かれる結論だからです。

そして、それらは自分たちの価値観に紐づいたものです。

というのはNPO活動における「成果」は何に「価値」があるとするかによって変わります。例えば、子どもたちの居場所をつくる際に「子どもたちが好き勝手ゴロゴロしている」場をつくったとしましょう。

その場に「価値」があると感じる人にとってそれは活動の「成果」と呼べますが、「ゴロゴロしている時間があれば少しでも勉強を教えてあげるべき」という価値観を持った人がその場に対して「価値」を感じることは難しいかもしれません。

それ故にNPOのミッションを規定する上で、僕たちがまず話し合うべきは「何に価値があるか?」です。抽象論でありますが、重要なのはリアリティです。つまり、「本当にそれを大切だと感じるか?」です。

ここでいう「本当」の基準というのは、「自分自身の人生の時間や資源(スキルやお金など)を投じてまで実現したいものか?」ということです。実際、皆さんは既に活動をされていると思うのでその基準は越えているはずです。なので皆さんが感じている「価値」を言葉にしていきましょう。例として僕たちGiftのものを見ていきましょう。

Giftのミッション:『分かち合う喜び』が広がる社会をともにつくる

僕たちがつくる価値は「分かち合う喜び」です。これは寄付など自分が持っているものを他者や社会に分かち合う時に心の中に湧いてくる「渡せてよかった」「受け取ってもらえて嬉しい」という「喜び」です。

「分かち合う喜び」が「価値」なので私たちの「成果」は「寄付ができてよかったと思える寄付体験が創造できていること」となります。そして、そんな「成果」をあげていくことで、私たちGiftが引き受けるのは「『分かち合う喜び』が広がる社会をともにつくる」という役割です。

大事なのは誰かに頼まれたからこの役割を引き受けているのではないことです。そして、皆さんの中にはこの「価値」に共感できる人もできない人もいると思います。それが真実だと思います。

ただ、「私たち」が「価値がある」思うから「分かち合う喜びが生まれる寄付体験の創造」を成果として活動しています。きっと皆さんにも譲れない何かがあると思います。

だからこそ、ミッションを決める上で必要なことは「ミッション」について考えることではなく、団体が創り、追及を続ける「価値」を見出し、団体が生み出す「成果」を定義し、社会の中で引き受ける役割を明確にすることです。

FD講座第2回では、以上のような前提でミッションの定義するだけでなく、その「ミッションを業務の落とし込むアプローチ」と「その価値創造の進捗を可視化する報告」についてもお伝えします。

この講座が終わることには寄付におけるミッションの位置付けが全体像の中で見えるようになり、寄付促しの際に「ミッションが発揮する本当の威力」を感じてもらえると思います。

気になった方はぜひご連絡ください。

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終わりに

講座の受講をご希望される方はこちらのページからお問い合わせいただくか、下記のメールアドレスまで直接ご連絡ください。

giftbox.charity@gmail.com

今回はファンドレイジングデザイン講座の第2講「チームで見直したいNPOのミッションと活動」についてお伝えさせていただいたので、次は第3講「広報担当者と見直したい コミュニケーションデザイン」について書いていきます。

次回もお楽しみに。

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