「教育に選択肢を!」〜デモクラティックスクールまんじぇ〜

今回、インタビューをさせていただいた、デモクラティックスクールまんじぇさんは、愛知県一宮市で、デモクラティックスクールを運営している団体です。

今回のインタビューでは、フリースクールとは違う、デモクラティックスクールや教育に対する想いを伺いました。

私たちが当たり前に思っている公教育と、まんじぇさんのような今までとは違ったこれからの教育について、どちらが良いという議論をするのではなく、これからの子どもたちにとって教育の選択肢が増えることの大切さと、与えられる学びから自分で進んで行う学びについても考える機会になればと思っています。

では、インタビューをお楽しみください(^^)

Q. 「まんじぇ」設立に至った経緯を教えてください。

A. 「まんじぇ」は2006年、現在のスタッフの一人である今井により設立されました。
今井は子どもの頃から教師になることが夢で、実際その夢を叶え教師となったのですが、一斉授業や集団行動といった「枠にはめる教育」によって子どもたちの輝きが失われていく現状を目の当たりにしました。「これでいいのか?」と日本の教育に疑問を感じた今井は学校を退職し、フリースクールのスタッフや、教員として青年海外協力隊の活動に参加するなど、様々な教育現場を経験しました。その中でもアメリカ・フロリダ州にある自由教育の先駆け的存在「グラスルーツスクール」の校風に感銘を受け、同校をモデルとした「まんじぇ」設立に至りました。

 

Q. 「まんじぇ」の理念を教えてください。

A.「自分のことは自分で決める、みんなのことはみんなで決める。」です。
「自分のことを自分で決める」というのは子どもの人権的観点から考えても大切なことですし、教科の勉強をするということよりも今一番したいことや好奇心を尊重し行動する、これが何より一番の学びになると考えています。また、「まんじぇ」では日々のルールや予算などすべてのことを子どもたちとスタッフが入れるミーティングで決めています。話し合ってみんなのことをみんなで考えていくという経験が、自分のいる社会やコミュニティーを自分事として考えられることにつながっていくと感じています。

 

~子どもたち~

Q. 「まんじぇ」に入ってからの子どもたちにどんな変化がありますか?

A. 「まんじぇ」には時間割もカリキュラムもないので、「これをやっている」と言えるものがありません。子どもたちが何を学んでるかわかりづらいかもしれませんが、私たちとしてはそれが学びの本質なんだと思います。その子の人生なんだから何を学んでどうなるかは他人にはわからないですし、「こんなことが学べる」と言ってしまうと逆に縛ってしまうんじゃないでしょうか。そのため、入学希望の子どもの親御さんには「期待も心配もしないで欲しい。それが子どもたちの元々備わっている学びたい欲求を最大限に発揮させることにつながります。」とご説明させて頂いています。

 

Q. 「まんじぇ」の子どもたちと学校教育を受ける子どもたちに違いは感じますか?

A. 感じますね。毎年夏休みに開催するサマースクールに公教育の学校に通う子どもたちも参加してくれるんですが、「トイレに行っていいですか?」や「お弁当のタマゴ焼き残してもいいですか?」と何かにつけて大人の許可を得ようとする子が多いんです。まるで怒られることに怯えているという感じでしょうか。

そういった子たちを見ていると自分の行動に自信が持てなくなったり、自分から何かしたいと思わなくなってしまうんじゃないか、と管理的な学校教育に不安を抱くこともあります。その点「まんじぇ」の子どもたちは自分がどう行動するかの判断を自分で考えてつけているし、自己決定能力も強いと思います。

 

Q. 時間割もカリキュラムもない「まんじぇ」に通うということは、万が一にも読み書き・計算ができないまま大人になる可能性も考えられます。そのため「まんじぇに通う」=「覚悟が必要」とも言えますが、実際通っている子どもたちはその点についてどう考えているんでしょうか?

A. まんじぇの子どもたちは、公教育の学校教育を受ける子どもたち、いわゆるマジョリティの子どもたちとは違う過ごし方をしているという現実を理解しているとは思います。その上で、読み書き・計算と言った必要最低限の知識は、日常の活動の中で基本的にみんな身につけていっています。

むしろ小中学校、そして高校に進学…という世間一般的なレールから序盤で外れている分、自分の生き方や人生について早い段階から考える子が多いんです。例えば、就職活動を目前にして「どんな仕事をしようかな?」と考え始める大学生が多いと思うんですが、同じようなことを中学生くらいから考え始める子もいます。

 

~スタッフ~

Q. 子どもたちと接する上でどういうことを心がけていますか?

A. 一言で言うと「信頼する」です。例えば、我々大人から見て「いや絶対これは難しいやろ…」と思うようなことがあっても口出しはしません。試してみてダメだったという失敗経験もその子だけの権利ですので、子どもたちから助けを求められない限り大人が口を挟んでその権利を奪うということはしません。失敗を乗り越え自分の糧にしていく力が子どもたちにはあると信じています。

 

Q. 「子どもたちを信頼している」ということですが、例えば子どもたちが危険な行為、無茶な行為をしようとした時どういう風に対応しますか?

A. 子どもが無茶をする時っていうのは、誰かと比べられて見返そうと思ったり、大人からの信頼を感じない時だと思うんです。「まんじぇ」の子どもたちは「自由」の裏に「責任」があるとわかっている子も多いので、基本的にみんな慎重に行動しますし、危険な行為をして見返してやろうと思っている子は少ないと思います。スタッフとしては「危ないんじゃない」「注意した方がいいと思う」と一言言うくらいで、その後の判断は子どもたちにお任せしています。

 

Q. どんな瞬間にやりがいや楽しさを感じていますか?


A. 日常的なところで言うと、日々生き生きと過ごしている子どもたちと遊ぶのが単純に楽しいです。大きいところで言うと、みんなの将来が楽しみというところですね。
今の日本人って全体的に自信がなかったり自己肯定感が低かったり、社会に対して諦めムードが漂っていますよね。私は多くの社会問題がそこに繋がっているんじゃないかとすら思いますが、長い目で見て教育が改善していくと日本も変わっていくと思っていますので、「まんじぇ」の子どもたちがどんな風に育ち、どんな風に社会に影響を与えてくれるかと考えるととてもワクワクします。

 

~お金

Q. 運営はどんな風にされていますか?


A. 「まんじぇ」は学校といっても法律の認可外で運営しているため自治体からの補助を受けることが出来ません。寄付も頂いていますが、子どもたちからの学費が主となっており、スタッフの人件費も十分に捻出できていないのが現状です。

 

Q. 現在の寄付状況を教えてください

A. 基本的にスタッフの知人や元保護者の方が月額サポーターとして約20名ほど寄付してくださっています。少額からでも支援していただけたらと思い、金額は200円から設定しています。
企業へのアプローチも考えたことはありますが、寄付を集めることより生徒を集める方を優先してきましたので実際はあまり動けていません。

 

Q. 今より寄付が集まった場合、どのように使っていきたいですか?

A. まずは人手が足りていないので人件費に充てたいです。また、子どもたちの学費を下げたり、学びの充実に充てることでより門戸も開けると思いますので、安定した寄付収入があると理想が膨らみますね。

 

~最後に~

 

Q. 今後の展望を教えてください。

A. 今後は就学前の子どもたちを増やしたいと思っています。

現状「まんじぇ」には一度学校教育を受けた子どもたちが多いんですが、その中には不登校を経験した子どもたちもいます。これは日本の教育の問題点である「教育に選択肢がない」ということが原因の一つだと考えられます。そもそも子どもたちは一人一人違うので学校に合う子、合わない子がいて当然だと思いますが、「学校に馴染めない=社会不適合者」とする見方や「逃げたいのに逃げられない」といった状況で苦しみ傷つく子どもたちがいます。ですので、オルタナティブスクールの存在が認知され選択肢の一つとして検討されるようになれば、傷つく前に自分に合った教育を選べるようになるのではないかと考えています。

 

<お知らせ>
まんじぇでは、現在マンスリーサポーターを募集する寄付キャンペーンをしています。ぜひ、まんじぇのマンスリーサポーターになって活動を応援してください。

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