Giftではファンドレイジングデザイン講座(以下FD講座)と題し、NPO運営者向けの4回の連続講座を実施しています。全回無料で提供しているので財務面やファンドレイジングについてお悩みの全てのNPOさんにどんどん受けていただき、より良い寄付体験を寄付者の皆さんに届けてください。
とはいえ、内容やその効果が見えない講座に参加するのは勇気がいるかもしれません。そこで、FD講座の内容を4回に渡ってご紹介していきます!
今回はFD講座、第1講「NPO運営者に知ってほしい 会計のいろは」のポイントとなる「3つの無」のご紹介と「会計」の使い方についてお伝えし、講座のイメージを掴んでくださいね。
3つの無
「3つの無」とは、「無駄な会計、無理のある会計、無力な会計」のことです。本講座はNPO運営者が会計にまつわる「3つの無」を乗り越えていくエッセンスが凝縮されています。順番に説明していきますね。
無駄
「無駄」の正体はほとんどで「知らないこと」によるであろう。やらなくていいことを知るというのはやるべきことを知ること以上の意味を持つことがあります。
例えば、あなたはノートに領収書を貼っていませんか。そして、その角を揃えることに快感を覚えたことはないでしょうか。そう、僕にはあります。
ただ……。
なんと残念なことに、幣団体代表の小山は長年の会計業務の経験から「便宜上貼ることをおすすめするのですが、個人的にはやらなくていいと思うことも多いです」と。
ぐふぁぁぁ。我がノートたち。
この件について「知らない」場合は「知る」ことで解決できますが、別のやり方を「知っている」場合これまでのやり方を手放す必要が出てきますね。無駄というのは「知っていること」の質によって生まれるものなので、ぜひ本講座を受けていただき、無駄について学んでいただきたい。
無理
「ん??これ割り切れんくない。」「管理業務に使っている時間が〇〇時間やから家賃の扱いって管理費に〇〇円か…。」会計担当者たちのそんな心の声が聞こえてきますね。
なんでこんなにややこしくするのかとぶちぎれたくなる気持ちを押さえながら担当者の皆さんは一生懸命、事業別に仕分けを行なっていることでしょう。
だが、そんな皆さんに小山はいう。「そもそも綺麗に分割し切れないので無理してわけきらなくていいですよ」と。一生懸命仕分けをしてきて数年が経つ皆様にはこの優しさが突き刺さるかもしれません。
しかし、なぜそれが必要ないのかを小山は会計の目的に立ち返って説明いたします。この説明を聞いた時にきっと心が晴れやかになるだろうと思います。
僕たちは「もう、無理せんでええんやで」と皆さんに伝えたいのです。
無力
あれの支払い、これの支払い、あぁ、これも支払ったらほとんどお金余らへん…。そんな経験ないでしょうか。もちろん、僕にもあります。これについては会計のプロとして仕事をしてきた小山の視点からお金の使い方を見直す方法をお伝えします。
NPOにおいて難しいのは「いらないお金」に対する考え方でしょう。例えば相場と比較して「場所代が高い」と判断したとしても、「その場所」にしかない「価値」などがあり、スパッと判断できないこともあります。
その原因はNPOが投資する「価値」は目に見えないことも多いからです。ここにNPOの皆さんが現場で培ってきた価値に対する捉え方が現れます。だからこそ、その視点を持ちつつ、本講座では会計の考え方だけでも身につけていただければと思っています。というのは、払わなくていいお金を見出し、コストをカットできた分で新たに勝負をかけるためです。
適切に資金分配ができれば、新しい価値を生み出すことができるかもしれません。そんな好循環を考え方一つでできるので、この機会にぜひチャレンジしてみませんか。
不信感と向き合うための会計
さて、「無駄な会計、無理のある会計、無力な会計」について述べてきました。この「3つの無」を乗り越えた今の僕たちは必要なことを必要なだけ行い、自分たちの資金的余力を見積もり、資金の計画が立てられるようになっています。
会計的に考える習慣がないとどの活動にお金をかけるかが見えてきにくいです。結果的に場当たり的なお金の使い方が続けば、団体として長期的な視野に立ったお金の使い方を組み立てることができません。
ここまで説明すれば、なぜ、FD講座の初回がこの講座なのかが見えてきているかもしれません。
長期的に成果を挙げる見込みのない団体に、あなたはお金を託したいと思うでしょうか。大事なことなので表現を変えて繰り返しますが、あなたが日々、一生懸命働いて稼いだお金を「何に使うかわからないけど支援が必要です」と言っている団体に信頼して渡すでしょうか。
「気持ちはわかるけどちょっとどう使うかがわからないので不安かな」と丁重にお断りするのではないでしょうか。100歩譲って1回は気持ちで寄付をするかもしれませんが、おそらく2回目はないかと思います。
だからこそ、資金の状態をしっかりと追いかけ、長期的な視野に立ったお金の使い方を組み立て、信頼できるお金の使い方をする必要があると思います。「会計のいろは」は団体の成長のためにもファンドレイジングのためにも全ての土台となる講座です。
説明責任を果たす。 自分にも。 周りにも。
会計は英語でaccountingです。accountという単語には「説明する」という動詞としての用法があります。会計を行うというのは収支をあわせ、役所に提出するだけでなく、他者に説明することでもあるのです。
あなたは自団体の会計を見て、その月何が起きたのか意味がつかみ取れるでしょうか。来月、何が起こり、来年にはどうなっているのか検討がついているでしょうか。
変化の激しい時代なので、完璧な説明は難しいかもしれません。それでも最低限、寄付が何に使われ、その寄付で何を達成しようとしているのかについてはしっかりと説明できるようになりませんか。
終わりに
講座の受講をご希望される方はこちらのページからお問い合わせいただくか、下記のメールアドレスまで直接ご連絡ください。
今回はファンドレイジングデザイン講座の第1講「NPO運営者に知ってもらいたい 会計のいろは」についてお伝えさせていただいたので、次は第2講「チームで見直したいNPOのミッションと活動」について書いていきます。
次回もお楽しみに。