【F,Lab講座】組織文化の作り方(後半)〜ビジョンを作り、組織内で広める〜

 

皆さん、こんにちは。認定NPO法人Giftです。

私たちGiftはNPOを対象に、寄付を取り入れ、安定した経営と組織体制を目指す「F,Lab」というプログラムを実施しています。第4期目となる今回、アカラクリエイト代表の井上健一郎先生をお招きし、チームビルディング(組織運営)に関する講座を実施しました。講座自体はF,Lab受講生が対象ですが、内容について一部記事として公開させていただきます。

NPOはもちろんのこと、「組織」に関わる皆さんにとって有益な情報が詰まっていますので、ぜひ皆さんの活動にお役立ていただけたらと思います。

本記事は、連載形式でお届けします。

①場について(前半)〜組織の目的と、場の重要性〜
②場について(後半)〜具体的な場の作り方〜
③組織文化の作り方(前半)〜リーダーとしてのあり方と組織の習慣〜
④組織文化の作り方(後半)〜ビジョンを作り、組織内で広める〜 ※今回の記事

初回は「組織の目的と場の重要性」、二回目は「具体的な場の作り方」について、三回目(記事はこちら)は、「組織文化の重要性と浸透のさせ方」について学んできました。

これまでは「組織文化」という組織の内側の話をしましたが、今回は組織の外側の部分でもある「ビジョン」をどう作るのかと、ビジョンにそってどう行動していくのかについて学んでいきます

 

Value(行動原理)を言語化することの重要性

Mission、Vision、Valuesについてです。

「Vison」が「Mission」上にくる説明もまりますがそれはどちらでも良いのかと思っていますが、私が大事だと思っているのは一番下にあるValues、「私たちは何を大切にしていて、どう行動するのか」という行動原理を実践している経営者の姿や言葉が重要であると考えています。

 

この具体的なイメージから得られる行動原理が、「私たちは何者か?」というあり方につながって行くと考えています。人ってイメージが湧くと行動しやすくなります。

例えば、いいコーチはイメージを湧かせることが非常にうまいんですよね。リトルリーグのコーチを例にしてみると相手ピッチャーの速球がやばい、となった時に「高めのボールに手を出すなよ!」というコーチもいると思いますが、「低めの方が打ちやすそうだぞ」と声をかけてあげることもできます。また「よく球をみろよ!」といったりもしますが、例えば「ボールってどういう動きをしていた?どんな回転をしていた?」と声をかけた方が、実際よくボールをみると思うんですよね。

こう言ったふうにイメージの持たせ方によって行動が変わるということがあります。なので言語化が非常に重要になってくるんですね。行動を具体的にするための言葉が必要になります。

Missionの具体例を上げてみます。

三越伊勢丹グループのMission

「向き合って、その先へ」

ファーストリテイリングのMission

「本当に良い服、今までにない新しい価値を持つ服を創造し、世界中のあらゆる人々に、良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供します」

アスクルのMission

「いつでも、どこでも、誰にでも。ほしいものをほしいときにお届けする革新的生活インフラを最もエコロジーな形で実現する」

 

三越伊勢丹グループのように非常に抽象的なものから、アスクルのように非常に具体的でわかりやすいものまでありますが、このように色々と程度の問題はあるのですが、やはり言語化することが大事だということです。

 

MissionやVisionを具体的なスモールビジョンに置き換えて行く

 

 

MissionやVisonは先に目指すものとして、抽象度が高く作られているかもしれないですが、このMissionやVisionを具体的な目標、細かく小さなスモールビジョンに置き換えて行くことが重要だと思っています。

 

どんな状態にするのか、いつまでにそれを行うのか、行動することでどうなれるのかということを念頭に置いてスモールビジョンに置き換えていきます。具体例を示します。

このように、具体的なスモールビジョンを言葉にする、特に数字にするとわかりやすいと思います。

 

組織のありたい姿を言語化するための、3つの「たい」

ビジョン達成のために、どのような組織のありたいかを言語化する際に「3つの「たい」」について、ぜひ考えてほしいと思います。Missionを達成する上で大切にしたいことを、実際に皆さんに考えていただきたいと思っています。マインド面、行動面、最後は能力面です。これらを考えたら、気持ちの中に留めておくのではなく、ぜひ言葉にしてほしいと思います。

3つの「たい」について、具体的な例を見ていきましょう。

 

ご自身の組織について、今思いつく言葉で大丈夫ですのでぜひ書いてみてほしいと思います。

さらに詳しく例を見ていきましょう。

これまで、色々な企業と一緒に仕事をしてきて、やはりスローガン的な言葉がある会社の方が意思統一感があるなと思います。ぜひこの機会に皆さんも考えていただけたらと思います。

NPOのように慈善活動をベースしていると「やってあげたい」という気持ちがあると思いますが、あえて「やらないこと」を決めることも重要だと思います。それは「あえてやること」をちゃんと作りたいからなんですね。

「こっちの提供価値を高めたいので、あなたのやりたいことはちょっとやめようよ」と言っていかないといけない。

あえてやること、あえてやらないことを考えて行くのも組織の行動を具体的にするための一つの手段だと思います。

 

私たちは何をすればいいのか、私たちは何者なのか。それをある言葉に集約させていく。ある程度の解釈の自由度はあると思いますが、そうした言葉を作っていった方がいいのではないかなと思います。

多くの経営者から「理念浸透」について教えてほしいとお話をいただくのですが、VisionやMissionを作っただけでその後何もやっていない人が多いです。「あなたは、その理念に基づいて何やっていますか?」と聞くと、自身で行動していることが少なかったりします。

経営者やリーダーとして、自分が行動指針に従って動いたら、動いたことを周りのメンバーに伝えていってほしいと思います。

まとめ

多くの組織で「Mission,Vision」というものは作られますが、作ったままになっている組織が多いのが事実です。

経営者自体が「理念が浸透しない」と話すことがありますが経営者自体が実践していないということがあります。「あなたは何をやっていますか?」と聞くと、具体的な行動をとっていないことも多い。

そんな中で重要なのは、具体的な行動指針=Valuesです。今回講座で紹介したスモールビジョンによって具体的な目標に置き換えて行くこと、または組織のありたい姿を示す「3つの「たい」」を使ってぜひ、具体的な言葉を考えていただきたいなと思います。

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