みなさん、こんな風に思ったことはありませんか?
「NPOって何してるかわからない」と。
ホームページを見たけど難しくてよくわからないし、「説明して」と言われたらなおさら無理…という方も多いのではないでしょうか。
他ならぬGift自身もそう思われていたり…??
「まず自分たちのことちゃんと知ってもらわないとー!」ということで、今回はGift自身をインタビューしてもらいました!初めましての方はもちろん、お馴染みの方も「Giftってどんな団体だっけ?」と、改めて振り返りながらご覧ください!
(インタビュアー:人見尚汰)
~社会のために何かしたい~
人見:まず初めに、Gift設立の経緯を教えてください。
小山:2015年、副理事である荒川を含めた3人の大学生が「社会のために何かしたい」という思いで難病の女の子の募金箱を設置したことが始まりでした。2週間で約1万円集まったその募金箱を通じて寄付の可能性を感じ、2016年2月から任意団体として本格的に募金箱事業を開始しました。その後、募金箱事業と並行して法人化を目指し、2017年8月にNPO法人になりました。
―――小山さんは設立メンバーではなかったんですよね。
小山:そうですね。元々設立メンバーの一人と別の団体で活動していたときに一緒にイベントを開催したりしていて、Giftの存在は知っていましたし、彼らが東京に来る際私の家に宿泊するなど交流がありました。そういった縁もあって彼らの募金箱に対する熱い想いに共感し、2016年9月頃、一緒にイベントを主催したタイミングで私も参加するようになりました。
―――初期は募金箱事業専門で活動されていたようですが、現在は募金箱事業以外の活動が多くなっていますね。活動の幅を広げるようになったきっかけなどはあったのでしょうか?
小山:募金箱事業は、関わってくださる色んな方の想いや熱意を感じられる素晴らしい活動で、私自身大好きだったんですが、実は法人設立直後からメンバーの離脱が相次ぎ、しばらく私一人で活動していたんです。一人だと回収・設置できる量に限界があり、この先ずっと続けていくのは正直厳しい状況。新しい方向性を模索せざるを得なかったのですが、募金箱事業を通し多くのNPOが資金調達や会計面で苦労しているという現実を目の当たりにしてきました。これを受け「NPOが自ら寄付を集められるシステム作りが必要なのでは?」との思いに至り、2019年2月に復帰した荒川と試行錯誤した末、2020年6月頃から今のコンサル系の活動にシフトチェンジしました。
―――募金箱事業を通じて強い問題意識を持たれたんですね。
小山:熱い思いを持って立ち上がった人が夢を諦めてしまう、活動を断念してしまう…。これって社会の損失だと思うんですよね。ましてやその原因がお金にあるというなら本当にもったいない。金銭面さえ安定すれば活動を続けられる、一層盛り上げていけるぞ!という団体は多いはずです。だからこそ、そう言ったお金の悩みを解決できる仕組みづくり、ひいては寄付に寛容な社会と、寄付による喜びが広がる社会を作っていくことが我々のミッションだと考えています。
~活動内容~
人見:では、具体的な活動内容を教えてください。
小山:わかりました。現在Giftでは、以下の3つを軸に活動しています。
[F,LAB(エフラボ)]…会計や組織運営、広報に関する情報や実務トレーニングを提供するサービス。
[研修・セミナー]…具体的な目標の立て方や組織作りについてのセミナーおよび研修を開催。
[各種相談支援]…会計の相談や助成金申請のアドバイス、報告書作成のサポート、雇用、など幅広い相談に対応。
またFacebookのグループにて、寄付キャンペーンの告知や寄付について考えるイベントを開催し、寄付の啓発にも勤めています。
~やりがいを感じる瞬間~
人見:これまでたくさんのNPOと接してこられたと思いますが、反応はいかがですか?
小山:嬉しいことに温かい声をたくさん頂いています。なかなか会計や広報まで手が回らないNPOも少なくありませんし、特に運営面や資金繰りの悩みってなかなか団体内で相談し辛く、中心的な人が一人で抱え込んでしまうことも多いんです。「相談できる人ができてよかった」とホッとした表情を見る時、この仕事のやりがいを感じますね。また「自分たちの進む道を再確認できた」なんてお言葉も嬉しかったです。
人見:ご自分たちの活動によって起きた変化や成果を感じることはありますか?
小山:「ホームページを変えてみました」や「寄付者向けのメルマガを始めました」など、寄付者が喜ぶような取り組みを始められたNPOが増えているように感じます。私たちと関わったことで「こういうことやってみようかな?」と団体さんの行動が少しでも変わったのだとしたらすごく嬉しいですね。
~行く先々で人を幸せにしていくのが「寄付」~
人見:「寄付による喜び」について、ご説明いただけますか?
小山:一言で言うと『幸せの連鎖』ですね。例えば1万円で自分の欲しいものを買った場合、自分だけが満たされますが、もし誰かのために買った場合プレゼントされた相手が喜び、その姿を見た自分も嬉しくなります。これって1万円で二人を幸せにしてるんですよね。寄付に置き換えた場合、例えば、満足に食事にありつけない子供達を支援する「こども食堂」に寄付したとします。すると、まず団体が喜びます。次にその寄付金で子供たちにより多くの食事を提供出来るので、子供たちも喜びます。このように、寄付って行く先々で人を幸せにしていくんですよね。寄付者自身が喜びを感じるまで時間がかかってしまうかもしれませんが、「こうなって欲しい」という願いを託すことで、寄付に関わる人たちみんなが幸せになる循環が生まれるのではと考えています。
―――ホームページの「私たちは『Gift = 寄付』とは捉えていません。~(中略)~ Giftとは形のあるなしを問わず、必要としているところに見返りを求めず届けることができるもの。」は、まさにこのことですね。
小山:「見返りを求めている時点でGiftじゃない」というのが私たちの考えです。例えば「自分の仕事を手伝ってもらいたいからあなたの仕事手伝うよ」これって見返りが前提で動いてますよね?困っているから助ける、応援したいから応援する。別に形のあるものじゃなくてもいいんです。見返りを求めず人から人へと思いが伝わって行く、『恩送り』な世の中が私たちの理想です。
~Giftの夢~
人見:今後のヴィジョンや展望を教えてください。
小山:「全国47都道府県に、Giftの『F,Lab』を受けるNPOがいる状態」を目指します!私たちと同じような思いを持った団体を増やしていきたいですし、その輪が日本全国に広がれば、みんなが「寄付しても大丈夫なんだ」と思える世の中に近づけると思っています。今はオンラインの時代ですから、『F,LAB』を通じて寄付を集められる仕組み作りを伝えていきたいです。