みんながフラットでいられる世の中へ ~特定非営利活動法人 ゆるん~

すべての女性を応援するNPO法人『ゆるん』さん。

悩みや問題を抱えられた女性や、自分を表現する場を求める女性など、日々様々な女性と関わっていらっしゃいます。

その中でどんなことを考え、どんな思いで活動しているのか? 何に心が動くのか?

そして、活動の先に彼女たちが目指す社会とは?

想い、夢といった『ゆるん』の内側にフォーカスした後編、

どうぞお楽しみください!

(インタビュアー:人見尚汰)

「教える」ではなく「一緒に考える」

人見:活動する上で意識していること、気を付けていることはありますか?

高木:まず何より楽しい時間を過ごしてほしいと思っています。語る会など、テーマによっては話が重くなることもありますし、時には泣き出してしまう方もいますが、最終的には笑ってもらえるよう意識して活動していますね。

気持ちの転換を重要視しているので、悩みとか話を聞くだけ聞いて、やっぱり最後は笑って帰って欲しい。話のオチをつけるくらいの勢いで取り組んでいます!

志水:あと「こうあるべき」とか「こうしなさい」って言わないようにしていますね。

「その旦那のどこがえぇの!?」とツッコミたくなるような方がいらっしゃったり、殴られてても旦那と別れたくないという方もいらっしゃいますが、どんな環境であれその人、その家庭が円満であればそれでいいんです。苦しかったり、環境を変えたいなと思うのであれば、変えられる方法を一緒に考える、そんな手の差し伸べ方を心がけています。

 

――自分で考えるべき領域までは踏み込まない、ということですね。

高木:そこまで踏み込んで言う事聞いちゃうと、依存が生まれちゃうんですよ。

見ててめちゃくちゃ心配でも、我慢して見守る。自分で気付き、自分の道を進んで欲しいから。
ただ、「命の危険を感じたら必ず逃げてください」「一時的でも良いから、身を守って」これだけはお伝えしています。

人見:活動を通じてやりがいを感じる瞬間はどのような時ですか?

志水:いろんな企画や会を開催した時に「また声かけてください!」「今度は手伝います!」と言っていただけるのは嬉しいですね。悩みを抱えて来られた方の「解決しました!」という声や、問題を抱えている人が次のステップに進んだという報告も「あぁ、よかった!」とこっちまで嬉しくなります。

 

 

誰だって笑顔がステキ

人見:「女性の美しさ」「女性のいいところ」って何だと思いますか?

高木:笑顔!

志水:でもそれは男性も女性もどっちもじゃない?(笑)

高木:そうだね!みんな笑った顔素敵だよね。

――やっぱり「男性」だから、「女性」だからという見方ではないんですね。根本的に。

志水:『ゆるん』に来てくれる人は男性も、女性もみんなやさしくていい笑顔をされます!

高木:ゆるんに関わってくれる人たちを見ていて思うのは、新しい事にチャレンジした人はキレイになるってことです。メイク云々ではなく、オーラというか。

志水:一皮剥けて垢抜ける感じだね。清々しくて、スッキリした、とも言えるような。

 

 

柔軟に働ける社会

人見:現在の運営状況や収入についてお聞かせください。

高木:収入は助成金、賛助会員の会費が主で、コロナ関連の一時金を寄付してくださる方もいらっしゃいました。月額サポーターといったような継続的な寄付は現状ないですね。

 

――もし寄付が集まれば、どのように活用していきたいですか?

志水:人件費に充てたいですね。今、たくさんの方が『ゆるん』に協力してくださっていますが、それぞれに家庭があり、生活があると思うんです。その上でお金は必要なものですから、貴重な時間を使って関わってくださる方たちに対して、関わって頂いた分の対価をしっかりお支払いできたらと思っています。

さらにもっと余裕ができたなら人件費や運営の蓄えだけでなく、私たちからいろんな方面へ寄付していきたいとも考えています。

高木:身体的にも、精神的にもそうですが、しんどさを抱えている方の中には、定時出社・定時退勤という働き方が難しい方もいらっしゃいます。でも3時間だったら働ける、週に3日なら働ける、いわゆるフレックス制なら働けるという方も多くて。日本全体で見るとまだまだフレックスの導入が進んでいませんが、通例によって働く機会を奪われている方たちに働く場が与えられ、お給料が払えるシステムができること、理想を言えば「週休3日・1日6時間」で普通の給料が出るような社会を目指しているので、お金に余裕が出来れば、そのベースになるような事業に挑戦したいと思っています。

 

みんながフラットでいられる世の中へ

人見:最後に、今後の目標や夢を教えてください。

高木:基本的に目標立てないんです、『ゆるん』って。

その時代時代に合わせて動く。例えば最近だとコロナが猛威を振るったことで、社会全体が変わらざるを得なくなったじゃないですか? だから今回はコロナに合わせて動いた。コロナが解決した後は、その時の状況に合わせて動く。そんな感じです。

志水:社会とか、情勢ってその時々で絶えず変化していくものですし、柔軟に対応していかないとしんどくなっちゃうと思うんですよ。

高木:1年毎に事業目標を立てたりはするんですよ。こういう方向性で行こうね、みたいに。

でも、仮に10年後の目標を立てたとして、実際10年後にはニーズがなくなっている可能性だってあると思うんですよ。だから私たちはあえて目標を立てたりはしないんです。

志水:あ、でも、みんながイキイキと笑顔でいられる社会は目指したいですね!

男女差がなくなって、同性婚も認められて、子どもがいる家庭・いない家庭どっちもあっていい。そんな全てに「OK!」と言えるフラットな社会を目標に、柔軟に活動していきたいです。

 

――「こうあるべきだ」のない社会を目指す、と。

高木:昔は「女性は20代で結婚するべき」と言われていましたが、時代を経る中で「30歳」「35歳」と変わってきました。「こうあるべきだ」は、社会が変わる度に新しいのが出てくるし、変わっていくとも思うんですよ。なくなることもないと思います。だから「こうあるべきだ」があってもOK、なくてもOK。私たちは新しく出てきた「こうあるべきだ」に対応していくだけです。

志水:私たちも年を取っていくし、いつまでも活動できるとは限りませんから、これから先も『ゆるん』がずっと残っていくようバトンを繋いでいくこと、言うなればそれが目標ですね!

終わり

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